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レトロゲーマーならお馴染みのゲーム。
高橋名人の冒険島
ファミコン少年にとってのあこがれの的「高橋名人」。
故に誰もが知っているゲームであったし、必ず友人の誰かが持っていたゲームである。
しかし、当時このゲームについて深く語ることはあまりなかった。
ゲーム自体は面白いのだが、その難易度の高さから攻略を断念したプレイヤーが多かったからではないだろうか?
本日はファミコン界のメジャー高難易度ゲーム「高橋名人の冒険島」について紹介していこう。
ゲーム概要
高橋名人の冒険島
発売日:1986年9月12日
価格:4900円
メーカー:ハドソン
機種:ファミコン
ジャンル:アクション
高橋名人の心の恋人ティナが、南洋に浮かぶ謎の冒険島に潜む悪の大王キュラにさらわれてしまった。
島の中は森あり、山あり、洞くつあり。いろいろな敵も隠れている。
僕らのヒーロー・高橋名人は、島の難関をのり越えて大王を倒し、無事にティナを救い出すことができるのだろうか?
アーケードゲーム「ワンダーボーイ」の主人公を高橋名人に替えた横スクロールのアクションゲーム。
石オノやスケボーを駆使し様々なトラップを回避しながらボスを攻略していく。
ライフ制となっており、減り続ける体力を食べ物で回復しながら進めていく。
当時の高橋名人人気は絶大で100万本以上売り上げた。
それではここから更に高橋名人の冒険島について深堀していこう。
独特の慣性で難易度アップ
主人公の高橋名人を操り、軽快な走りとジャンプで面を進めていくのだが、独特の慣性が大きな特徴だ。
この時代のゲームはそのゲーム特有の慣性がゲームの個性を生み出し、思い出深いギリギリのプレイも生み出している、と言っても過言ではないが、このゲームもその類。
ちょっと行き過ぎた、戻ろう・・!!、と思ったら敵にぶつかって死ぬ。という場面はザラにある。
また、終盤ともなると敵の出方や穴の位置など、ギリギリのプレイの連続であり、この慣性が生死を分ける。
「慣性を制したものがゲームを制す」、と言ってもいいくらいの独特の慣性が魅力でもあり、難易度を高めている要因だ。
楽しげな世界観
基本ステージは5つ。
明るい森、暗い森、海、洞窟、山。これらを繰り返しプレイしていく。
暗い森や洞窟は怪しげな雰囲気が満載なのだが、明るい森や海はどこか楽しげな雰囲気だ。
特にゲーム開始直後の1-1と1-2が明るい森と海となっているため、明るい気持ちで楽しい冒険感覚でゲームを開始できる。
道中、軽快なジャンプアクションでアイテムをゲットしながら進むのが楽しく、背景やオブジェクトも心躍るデザイン。
ファミコン少年の心のつかみかたは抜群であった。
シビアなライフ制
慣性と共に、主人公の生死を分ける大きなポイントがライフである。
時間経過とともにライフが1つずつ減っていき0になると死んでしまう仕様。
このシステムにより、じっくりゆっくりと攻めることが困難となっている。
結果として慣性を勢いに変えたプレイの連続となり、より難易度を高めてしまっている。
このライフは道中の食べ物をゲットすることで補充できるのだが、食べ物ゲットに夢中になっていると敵や穴にやられてしまうことも多々。
更に、道中獲得できるアイテムの中には、ライフが減っていくという迷惑アイテムも存在するのである。
終盤になればなるほどこのライフシステムが主人公を苦しめていく仕様となっている。
超高難易度な最終盤
ファミコンアクションゲームの中でも高難易度ゲームとして知られている高橋名人の冒険島。
しかし、序盤は比較的サクサクと進めることができる。思ったほどの歯ごたえは感じない。
楽しげな世界観とともに進めていけるのだが、徐々に難易度は上がっていき最終盤ではファミコンアクションでも屈指の高難易度のステージが待っている。
特に有名なのが8-3のラスト直前の「3匹のコウモリ」
ジャンプアクションとオノを投げながら攻略していくのだが、ちょっとのタイミングのズレで攻略不可になってしまうほどの超シビアなボタン操作を必要とされる。
ゲームセンターcxのADもこのステージ攻略に9時間を要したそうだ・・・。
攻略できた時の達成感は半端ないが、ギブアップ必至の超高難易度面が終盤に用意されているのもこのゲームの大きな魅力・特徴だ。
スケボーは危険なアイテム
道中タマゴを割ることで特別なアイテムをゲットできる。
攻略には必須の石オノやお邪魔アイテム(ライフが減っていく)のナスビなどが出てくるのだが、中でも印象的なこのゲームおなじみのアイテムと言えば「スケボー」である。
面道中をよりスピーディーにより軽快に進めることができ、さらに敵に一度当たってもスケボーを失うだけで死なずに済む、という一見するとお助けアイテムである。
しかし、「後戻りができない」、「慣性がより一層難しく感じる操作感覚」、といった難点も存在する。
このゲームはライフ制の為、ある程度はさくさく進めないといけないのだが、それでもこのスケボーは難点の方が大きく危険なアイテムである。
序盤の軽快さに味を占めてゲットしまくると、中盤以降はむしろ死ぬ要因となることが多いアイテムなのである。
まとめ
さて、手触りの良さとポップな印象で始めたはいいものの、終盤になるほど鬼畜度が増していく高橋名人の冒険島。
その後ファミコンでは4まで発売されているが、難易度は少しずつ緩くなっている。
アーケードからの移植とはいえ、さすがに白旗プレイヤーが多かったからであろう。
ファミコン時代は簡単に手を出すと痛い思いをするゲームはよくあった。
ポップな雰囲気ながら平然と超高難易度を放り込んでくるゲームもよくあった。
高橋名人の冒険島は、子どものあこがれの存在である高橋名人からの、挑戦状をたたきつけられたような思いで深いゲームソフトであった。
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