ゲーム界における、今となっては笑い話となるほど有名な事件。
「ゲーム発売日ずる休み事件」
このゲーム欲しさに朝からショップに長蛇の列。
その中には仕事や学校をずる休みしてまで並ぶ者も・・・。
後に発売日を平日にするのをひかえるようになるほどの大きな社会現象だった。
ドラゴンクエスト3
その後、様々な機種でリメイクも出たドラクエ史上でも1,2を争う人気作。
本日はドラクエ3を紹介するとともに改めてその魅力を振り返っていきたい。
<レトロゲーム紹介>【ドラゴンクエスト】当時のオープンワールドゲームである
<レトロゲーム紹介>【ドラゴンクエスト2】正当で確実な進化へ・・・
ゲーム概要
ドラゴンクエスト3 そして伝説へ・・・
発売日:1988年2月10日
価格:5900円
メーカー:エニックス
ジャンル:RPG
機種:ファミコン
その昔アリアハン国は世界中を治めていた。
しかし戦争が起こりアリアハンも今では小さな国になってしまった。
さらに、戦争によりアリアハンの勇敢な戦士オルテガは火山に落ち、命を絶ったと伝えられることに・・・。
そんな中アリアハンより旅立つ1人の若者が現れた。オルテガの子どもである。
亡き父のあとを継ぎ、王様から命じられた闇の魔王バラモスを討伐に今、仲間を求め旅立つのである。
ドラゴンクエストシリーズ3作目。
ロト伝説の完結編。
4人パーティー、キャラメイクシステム、転職システムなどが話題となり超大ヒット作となった。
冒険は昼夜の概念も加わり、より一層深みが増した。
学校を休んでショップに並ぶ子どもたちや、恐喝未遂事件などニュースにも取り上げられるほどの熱狂ぶり。
FCソフトではシリーズ最多の380万本を売り上げた。
それではここから更にドラクエ3の魅力を深堀していこう。
秀逸な職業システム
職業システムがとにかく面白かった。
「キャラメイキング」という要素があまりないこの時代のゲームにおいて、ドラクエ3の職業システムはとにかく秀逸。
主人公以外では最大で3人の仲間をパーティーに加えることができる。
FC版では戦士、武闘家、僧侶、魔法使い、商人、遊び人、を初期段階で選び、作成することができる。
この仲間キャラの選択で大きくゲームバランスが変わることにもなる。
ヒットポイントと攻撃力の高い戦士。
攻撃力もそこそこで武器もあまり必要としない武闘家。
回復呪文のエキスパート僧侶。
ヒットポイントは少ないが攻撃魔法が強力な魔法使い。
+αでお金をゲットすることがある商人。
謎の職業遊び人。
自分好みでパーティー編成でき、冒険中盤ではこの仲間キャラクターを転職させることもできる。
転職させることで、魔法の使える戦士。回復呪文が使える魔法使い。などより強力なキャラを作り上げることができる。
自分と友達の冒険では仲間キャラクターが全く違うこともあり、友達の冒険を見ているだけでも新鮮で楽しむことができた。
また、お邪魔キャラだった遊び人のみ、僧侶と魔法使いのいいとこどりの上級職業「賢者」に転職できるのも面白かった。
魅力的なキャラメイキング要素がふんだんにつまった職業システムが、ドラクエ3をここまでの大ヒット作におしあげた大きな要因である。
圧倒的な冒険感
高揚感を高めてくれる冒険のBGM。
自由度の高いフィールド移動。
ドラクエ史上でも屈指の冒険感を与えてくれた。
町と町との距離。
ダンジョンの難易度、雰囲気。
父を探し悪の親玉を討伐に出るストーリー。
ドラクエ1,2以上に「勇者」体験を届けてくれた、と言っても過言ではない。
どれをとってもワクワク感満載のゲーム体験であった。
更なる世界の広がり
冒険世界は更なる広がりを見せた。
世界地図を想起させるマップ。
砂漠、無人島、雪(氷)に囲まれた場所、わくわくするようなロケーションも増えた。
移動手段も、2同様に船をゲットすることで、より一層自由度が増すことに。
中盤のオーブ集めでは、船を利用することでイベントの順番を自由に入れ替えていくこともできた。
終盤からはノーエンカウントで空を移動できる「ラーミア」の存在も大きい。
世界の広がりとともに、世界すみずみまで探索できるのが面白かった。
更なる戦略性のあるバトル
上記の職業システムの導入によりバトルの戦略性が更に上がった。
キャラによって得意とすることが異なるので、必然的に主人公の立ち位置も変わってくる。
主人公以外を攻撃型にすると主人公は回復に徹することになるだろうし、攻撃型が不在だと肉弾戦でたたかいまくることになるだろう。
超攻撃型にも、安全回復型にも、バランス型にもできる。いろんなパターンが組めるので、それによって戦略性のあるバトルが楽しめた。
個人的には・・・、戦士、勇者、武闘家、僧侶、が好きだった。
また、後に仲間を賢者で固めるために、勇者、遊び人、遊び人、遊び人、でプレイする者も多く見られた。
1とのつながりが鳥肌物
ストーリー終盤ではあっと驚く展開が待っている。
ラスボスかと思っていた悪の親玉を倒した後に更なる熱い展開へと突入するのだ。
それも過去作をやってきたプレイヤーには鳥肌物の展開。
ドラクエの1で冒険した世界がそこに待っているのである。
どこだここは?・・と思っていると、1のBGMが流れてきて震えた。
フィールドを歩き回り、1のそれだと気づいた時には瞳孔が一気に開いた。
ドキドキ、ワクワク感を抑えることができなかった。
そして・・・
エンディングを迎えストーリーの全貌やつながりが見えた時には鳥肌と同時に涙も流れた。
やり込み要素
ドラクエ3はエンディングを迎えた後でもプレイし続ける人が多かった。
やり込み要素が豊富だったのである。
職業コンプリート、レアアイテムゲットが楽しかったのである。
特にレアアイテムは、特定の敵を倒すことで非常に低い確率で獲得できる仕様。
何度も何度も繰り返すことでやっとの思いでゲットできるのだ。
友達が家に来ているときにゲットできれば、「おおおおおおおおお!」
羨望のまなざしを受けることができる。
しかし悲しいかな・・家で一人でプレイしてるときにゲットし、翌日学校で報告すると・・、嘘つき呼ばわりされることもあった。
それだけ当時の子どもたちでも熱中し、夢中になれた要素であった。
セーブ機能・・・
唯一残念だったのがセーブ機能。
この時代すでにセーブバックアップ機能付きのゲームはあったが、ドラゴンクエストでは初。
もちろん、ドラクエ1,2でのパスワードの悲劇を思えば超便利機能、ありがた機能であるのは間違いない。
しかし、ソフトに衝撃が加わる。正規のゲームの切り方をしない。これらの行為で簡単にデータが消えてしまうのだ。
これだけの傑作だったからこそ、セーブ機能の弱さが大きな傷となってしまった。
セーブデータが消えてしまった時のあのBGM・・・。
トラウマとなってしまった子どもたちも多いだろう。
まとめ
セーブ機能を除き、最高のRPGだった。
圧倒的な冒険感。
奥深いストーリー展開。
キャラメイキング要素。
やり込み要素。
当時のゲームで、これほどボリューミーに楽しませてくれた作品はなかったであろう。
ファミコン少年だけではなく、ファミコン親父たちも楽しませてくれた大傑作だった。
2023年現在、更なるリメイク作品の発売も予定されている。
世紀をまたぎ、四半世紀を超えてもなお求められているドラゴンクエスト3。
間違いなくタイトルに負けない「伝説」を我々に届けてくれた。
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