今回紹介するゲームはちょっと残念な迷作。
頭脳戦艦ガル
ゲームとしては王道のシューティングである。
敵の攻撃を避け、敵を撃ち落としていく・・・。
しかし!
必ず!!「あの件」で突っ込まれる・・・。
そして!!
終盤になるとストレスが大きく膨らむやや残念(鬼畜)な仕様がある。
果たして「あの件」とは!?
残念な仕様とは!?
ゲーム概要
頭脳戦艦ガル
発売日:1985年12月14日
価格:4900円
メーカー:デービーソフト
ジャンル:シューティング
機種:ファミコン
銀河系Aダクトでは、ジスタス惑星とガーネットスター&ギガラスの双子惑星が反目しあっていた。
緊張感高まる中、ガーネットスターが宇宙空間制御装置「ドラッグ」を開発。
このままではシズタス惑星は破滅してしまう。
「頭脳戦艦ガル」は「ドラッグ」を破壊するために、戦闘機を乗せ、戦いに出たのだった。
縦スクロールシューティングゲーム。
敵を倒すとパワーアップしていくシステム。
ラスボス戦は100個のパーツ集めが必須となる。
前半はコース分岐もある。
それではここから更に頭脳戦艦ガルの魅力を深堀していこう。
え!?RPG?
ここまでの話でお分かりだと思うがシューティングゲームである。
それもややこしいことなく、ごりっごりの王道のシューティングである。
開始1秒で分かるシューティングである。
しかし!
パッケージには堂々と「RPG」という記載がある。
???
どういうことか!?
RPGという概念がそもそも今とは違ったのである。
それもそのはずドラゴンクエストよりも先に世に出ている、いわばロールプレイングゲームを知らない世界で発売されたのである。
RPGはそもそも「成長するゲーム」といった意味合いがある。
ドラクエやFFなどはレベルを上げ自身を成長させるゲームと言ってもいい。
頭脳戦艦ガルも敵を倒して自身を成長させながら進めていくゲーム。
そういった意味ではRPGで間違いないのである。
しかし!
このゲームがRPGと謳ったせいでドラゴンクエストが「国内初のRPG」という文言を使えなくなったとか・・・。
自機強化システム
アイテムゲットで自機が強化されるのはシューティングゲームではよくあること。
このゲームでもアイテムはいくつか存在し、自機を強化することができる。
しかし、アイテムの出現条件や使用の仕方にやや癖があり、あまりパッとしない・・。
やはり今作の最大の特徴は自機強化が他のゲームとは異なり「RPG」であるという点だろう。
つまり、敵を倒すことで自機強化がはかれるのである。
銃撃がスムーズになったり、広角に撃てるようになったり・・・。
ただ・・、
一定数の敵を倒すと強化されるが、システムの存在感としてはやや地味。
もうちょっと凝っても良かったのでは・・と思う・・。
それでも、斬新で独特なシステムであることは間違いない。
王道のシューティングだが・・
あまり派手な演出はないが、操作性も快適で非常にプレイしやすいのは魅力だ。
敵のスピードと自機のスピードのバランスも中々良い。
次々に押し寄せる敵とエリアの広さ(狭さ)にやられること必至なので、決して「攻略易し」のゲームではない。
シューティング特有の倒した時の爽快感と、避けきれた時の”俺うめ~感”、は感じられる。
間違いなく王道のシューティングゲームである。
が!・・・次の項で紹介するパーツ集めシステムの影響!?で、「詰み」に近い形でゲームオーバーとなってしまうことも有り、シューティングゲームとしてやや歪んだ評価を受けることにもなる・・。
憎きパーツ集めシステム
ステージは地底(1~12)→コア(13~20)→宇宙(21~30)と進めていく全30面。
30面進むとまた1からスタートする無限ループシステム。
その30面のなかにそれぞれ1つパーツが存在する。
そのパーツを100個集めて宇宙エリアの最終ステージに突入すると、ドラッグと呼ばれる謎のゾーンが出現する。
ここまで進めないと攻略とはならない。
周回を重ねることが前提となっており、周回を重ねると敵も強くなる。
自身も敵を倒すことで強くはなっていくのだが、ミスをすると敵を破壊しきれなくなってしまう・・・。
終盤では1度のミスがそっくりそのまま「詰み」と言ってもいいだろう・・・。
周回プレイ前提のパーツ集めシステム。
同じことをずっと繰り返すとさすがに集中力も切れてしまうのだ。
敵も自身も強化されていくのは斬新でいいが、このパーツ集めシステムがゲームのバランスを一気に壊してしまった・・・と言ってもいいだろう。
分岐システム
地底ステージのみ、ではあるがステージの最後は左右道が分かれている。
地底ステージは全12面であるが、全面プレイするのではなく、左右の分岐で2or3面など・・選択(ワープ)していくのだ。
一応右に進むと難しく、左へ進むと易しくなっているようだ。
地味だが斬新で飽きさせない努力は感じられるシステムである。
まとめ
頭脳戦艦ガルはRPGという表記をパッケージに堂々と表記したためにいろいろ揶揄されるが、王道の縦スクロールシーティングである。
シューティングの命とも言えるハラハラ感と快適な操作性があり、さらに独特の成長システムもあり、名作として名を残しても不思議ではない。
しかし!
パーツ集めシステムで一気に終盤でのストレスが大きくなり大きく傾いてしまった・・・。
そしてまもなくしてグラディウスやツインビーと言った歴史的な好バランスシューティングゲームがファミコン界に降臨したため、影が薄くなってしまったのだ・・。
独自のシステムを用い、王道のシーティングが楽しめ、RPGという堂々たるツッコミどころも備えた頭脳戦艦ガル。
レトロゲーマーにとっては「名作」ではなく「迷作」となってしまったちょっと残念な作品なのだ。
コメント