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本日紹介するゲームは、
暴れん坊天狗
タイトルだけでは全くゲーム内容が想像できないが、シューティングゲームである。それも一風変わった、いや、かなり変わった、ある種バカゲーのようにも見えるシューティングゲームである。
しかし、面白いのである。面白くておかしくて、没入してしまうゲームなのである。
本日はシューティング界の隠れた問題作、暴れん坊天狗について紹介していこう。
ゲーム概要
暴れん坊天狗
発売日:1990年12月14日
価格:6500円
メーカー:メルダック
機種:ファミコン
ジャンル:シューティング
21世紀を目前にしたアメリカに正体不明の凶星が接近していた。本土に近づくにつれて、それは邪悪な生命体に変身し、アメリカ全土を覆いつくそうとしていた。
生命体の妖気により人々の心は蝕まれていく。そして残った人々も捕らえられ監視されることに・・・。
そんな中、人々の祈りが平和の守護神、大和の国の天狗の元に届いた。天狗は己の霊力で「大天狗の面」を作り出し、アメリカへと飛ばすのであった。
しかし、アメリカで待ち受けるのはコントロール不能となり異常発生したモンスターたち。
天狗は次々と襲い掛かるモンスターを倒し、アメリカを救うことができるのであろうか?
ぶっ飛んだストーリーとぶっ飛んだ世界観が満載の横スクロールのシューティングゲーム。
天狗の顔を操作し、目玉や舌を玉のように発射しながら進んでいく。道中はビルや滝、倉庫などを破壊していくカオスな展開が大きな特徴。
バカゲーのようであるがゲームバランスも良く、熱狂的なファンも多くいる。
ちなみにこのゲーム海外版では「Zombie Nation」と名をうち、天狗ではなく生首を操作していくというよりぶっ飛んだ内容となっている。
それではここからさらに暴れん坊天狗の魅力を深掘りしていこう。
出オチ感のあるスタート
とにかくまず、世界観がぶっ飛んでいる。
こんな始まり方をするゲームは初めてである。
でっけー天狗(の顔だけ)が飛び回り玉(目玉や舌)を出して街を破壊していくのである。
はっきり言って何がどうなってこうなったのかよく分からない。「?」な展開、始まり方である。
なぜ天狗なのか? なぜ顔だけが飛んでいるのか? 謎が謎を呼ぶ。
しかし、もし子ども時代、友達同士でやっていたならば笑い転げていたであろうことは容易に想像がつく。
出オチ感満載ではあるが、ある種つかみとしてはこれ以上ないくらいの衝撃を与えてくれた。
なんとアメリカが舞台
ゲームの舞台はアメリカ。
ぶっ飛んだスタートだったのであまり気にすることもなかったが、天狗がアメリカに上陸?と考えると、更によく分からんゲームだな、と思う。
面道中の背景やボスは、しっかりアメリカを感じさせてくれるものとなっている。
そしてなによりこのゲームのエンディングは「これでもか」と言えるくらいアメリカを押してくる。
天狗とアメリカというギャップがシュールであり、ゲーム内ではしっかりと溶け込んでいるのである。
その独特の世界観を生み出したアイデアにはただただ脱帽だ。
爽快感抜群の破壊活動
とにかく破壊活動の迫力だけでいったらファミコン界屈指であろう。スタートしてからはちゃめちゃに破壊を楽しむことができる。とにかくストレス解消である。
しかし、あくまでシューティングゲーム。
考えなしに進んでいくと、「無念」の言葉とともに死んでしまう。
また、このゲームは面道中、「help」と訴えてくる人たちがいる。
そいつらを助けながら進むことで、自機(天狗)の攻撃を高めることができる。(2連射→3連射)
もちろんガンガン無視して進んでも全く問題ない。・・がどこか罪悪感も感じてしまう・・。
ゲーム性としてはとにかく「破壊」すること。これを極限まで楽しむことができるゲームであり、このゲーム体験は他の作品ではなかなか味わえない爽快感と面白おかしさを備えている。
個性的なグラフィック
シューティングゲームは画面狭しと玉や敵がうじゃうじゃ出てくることが多い。
このゲームも同じく画面狭しと、である。
しかし、このゲームが他のゲームと大きく違うのは背景グラフィックの質と量であるように感じる。
背景の中にはギミックもたくさんある。
重力がかかる滝や、挟まれると死んでしまう通路、ライトアップかと思いきや光線だったりなど、背景が面道中の仕掛けと化しているものもあるため、他のシューティングのような純粋な飛行とはやや趣が異なるのである。
この個性的なグラフィック(ギミック)が暴れん坊天狗の大きな魅力であろう。
まとめ
出オチ感満載ではあるが、ゲームとしての作りこみは中々である。
圧倒的な個性を放ち、シューティングゲームに必須な没入感と歯ごたえ。それをしっかり備えている。
硬派なシューティングゲームをやりつくし、ちょっと変わったシューティング体験を求めるならば超おすすめである。
暴れん坊天狗は、シューティングゲーマーを唸らせる破壊力と、見る人を笑わせてくれる世界観を含んだ良作バカゲーである。
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