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寺尾のどすこい大相撲
ファミコンの中でもちょっとマニアックな作品だ。
子どもにとっての「相撲」も、けっしてど真ん中に突き刺さるわけではない。
実在の人物がモデルとなっているゲーム。
知る人ぞ知る、の部類に入るかもしれないこの作品、実は私にとって思い出深いゲームなのである。
「名作」と呼ぶ声は皆無だが、キャラゲー特有の〇ソゲーでもない。
本日は、思い出のゲームその2、寺尾のどすこい大相撲を紹介していこう。
ゲーム概要
寺尾のどすこい大相撲
発売日:1989年11月24日
価格:5900円
メーカー:ジャレコ
機種:ファミコン
ジャンル:スポーツ
元力士の寺尾を主人公とした相撲ゲーム。
昇進、対戦、日本一周の3つのモードがあるが、どれもメインは相撲(取り組み)。
相手との体力差を考え技を駆使しながら勝ち進めていく。
ジャレコ特有の通常のカセットよりも大き目のケース付きカートリッジが印象的だった。
それではここから更に寺尾のどすこい大相撲の魅力について深掘りしていこう。
寺尾
詳しいプロフィールはウィキペディアなどを参照していただければと思うが、主に平成初期を彩った人気力士である。
鹿児島県出身で井筒部屋所属。
当時井筒3兄弟と言われ、長男が鶴嶺山(元十両)、次男が逆鉾(元関脇)、三男が寺尾である。
自身の最高位は関脇。
当時の井筒部屋には最高位大関の霧島(現陸奥親方)もいた。
小柄な体格ながら得意の突っ張りと身軽な動きで土俵狭しと動きまわる姿が印象的。
また、端正な顔立ちで男性だけではなく女性からも多くの支持を集めた超人気力士である。
丁度その頃は若貴効果で相撲が空前の大ブームだった時期だが、人気は若貴に次ぐものがあった。
1979年が初土俵で引退が2002年。息長く活躍した。
通算勝利860は歴代10位、通算敗北938は歴代2位。
通算出場1795回は歴代4位。
通算連続出場1359回は歴代6位。
まさに相撲史に残る名脇役でありながら屈指の人気を誇った力士であった。
ソコソコ体力を使う
さて、ここからはゲームの話。
プレイヤーは主人公の寺尾を操作して(名前は変えられる)取り組みをこなしていく。
成績次第で番付の変動があり、最高位の横綱を目指していくのだが、その取り組みはソコソコ体力を使うのである。
ボタンの連打と簡単な技入力で寺尾を勝利に導くのだが、難易度はそれほど高くはない。
ノウハウさえ習得すれば初期状態でも15勝0敗で終えることは可能である。
しかし、技はすんなり決まるわけではなく、押し出しや寄り切りは相手との体力差次第で全く決まらなくなる。
1つの取り組みで数分かかるくらいの大相撲。熱戦になることもしばしば。
それが15戦続くとなると、指が痛くなったり、息が切れることもある。
新たな技の習得が楽しい
敵を倒すと経験値がもらえる。
取り組みが終了するごとに経験値で技の買い物ができるのだ。
技は、
つりだし、うわてなげ、したてなげ、すくいなげ、そとがけ、はたきこみ、うっちゃり。
これらを経験値によって購入して自身の技に組み入れていく(最大で4つ)。
もちろん、押し出しや寄り切りなどの力技は常に備わっている。
これらの技を習得し、取り組みの中で豪快に決めることができるとそれはそれは快感なのである。
ちょっと斬新日本一周編
このゲームは3つのモードがある。
メインは昇進編。毎場所15番こなし最高位横綱を目指すモード。
もう1つは対戦モード。友人とのバトルが楽しめるモード。
そしてもう1つが日本一周モードである。
この日本一周がちょっと斬新なのである。
何者かに盗まれた優勝賜杯を探して、寺尾が日本中を旅する。5つの悪の土俵を制覇し優勝賜杯を取り戻すのが目的。
各地を歩いていると急に敵が現れ相撲を取っていく。
ゲットしたアイテムを駆使して先へと進んでいく。
時には海賊に襲われることもある。
そう、まるでRPGなのである。
敵を倒し、経験値を稼ぎ、体力を上げ、全国各地をまわっていく。
相撲ゲームとは思えない斬新さ。
やや単調な昇進モードの味変としてプレイすると結構新鮮なゲーム体験ができる。
思い出のゲーム
このゲームは当時ファミコンと相撲が好きだった私におじいちゃんが買ってくれたゲームである。
当時空前のブームだったとはいえ、子どもまで届いていたかと言うと「う~ん・・」だった相撲。
しかし、変わり者だった私ははまっていた。
このゲーム。ゲームとしての存在は知らなかった。
他のゲームと比べて多くの時間を費やした、とか大盛り上がりした、ということはなかったが、地道にコツコツとひっそりとプレイしたゲーム。
大人になってからもちょいちょい触っていたゲーム。
けっしておじいちゃんに、「買って買って」とねだったわけではない、ある日突然贈られてきたゲーム。
このゲームの話をおじいちゃんとした覚えもないし、当然一緒に遊んだりもしていない。
でも、ちゃんと自分を見てくれていたんだな。何が好きで、何をしたら喜ぶか、分かっていたんだな。と、大人の今、しみじみ感じることができる思い出のゲームなのである。
まとめ
先日紹介したF1レースも個人的に思い入れの深い作品だったが、このゲームもその類。
ジャンルがややニッチなのもあり、必ずしも万人にお勧めできる作品ではないのかもしれない。
ゲームそのものを見るとやや単調な部分もあるが、さくっとプレイできるし単調な中にも技の習得や自身の成長など楽しめる要素はある。
日本一周モードも、最初はわけも分からず放り出された感が満載だが、斬新で空気の入れ替えにはもってこいの作品だ。
寺尾のどすこい大相撲。
ゲームとして深くのめりこんだわけではないが、確かな面白さを届けてくれた作品であり、色あせた今でも心に残る温かい作品である。
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